顔イボができる原因は?皮膚科でのイボ除去
1、顔イボの種類とできる原因
「イボ」とは一般的に皮膚に盛り上がってできる小さな突起物のことで、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれています。
イボができる原因は大きく分けて2つあり、1つはウイルスに感染してできるもの、もう1つは加齢や体質によってできるものです。
【ウイルス性の顔イボの種類】
尋常性疣贅
「尋常性疣贅」は皮膚にできた小さな傷から「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが体内に入り込み、ウイルスに感染することが原因でできるイボです。
ウイルス性のイボのなかでも手の指や足の裏などにできやすいのが尋常性疣贅の特徴です。プールや温泉の脱衣所や、家族の中に感染者がいた場合は、共有で使ったタオルなどが感染ルートとなることが多いです。
発症し始めは小さなイボですが時間が経つにつれて、数mm〜1cm程度の大きさまで成長することもあります。
青年性扁平疣贅
「青年性扁平疣贅」は、特に若い女性に多く見られるウイルス性のイボです。
額や脇、頬や手などにできることが多く、大きさは直径1cm以内で少し膨らみがあり色は淡い褐色です。
発症時は複数個が同時にできることが多く、痒みを感じる方もいます。
自分の皮膚同士で感染しやすく数が増えることもあるため注意が必要です。
伝染性軟属性
「伝染性軟属性」は、小さい子供によく見られる「水イボ」のことを指します。
「伝染性軟属腫ウイルス」が体内に侵入し感染することが原因で、肌色やピンク色をした直径1mm〜3mm程度の小さいイボができます。
部位としては顔や背中、胸、お腹、脇、臀部、手足や肘、膝の内側などにできます。直接皮膚に触れることで感染することや、タオルや浮き輪などを介しても感染するため、保育園や幼稚園のプールで広がることが多いです。
痛みや痒みは少なく、半年から数年で自然と治ることが多い種類のイボです。
【加齢や体質によるイボ】
脂漏性角化症
脂漏性角化症は、加齢や体質が原因でできる良性のイボです。
ウイルスが原因としてできているものではないため、人に感染ることはありません。
若い方ですと30代から出始め、出現率として高い年代は40代以降になります。
脂漏性角化症が出やすい部位は顔や頭部、胸部、背中などの日光露出部位になります。しかし、人によっては脇の下、腹部、鼠蹊部、陰部、太ももなど日に当たらない部分にも発生する場合もあります。手の平、足の裏にはできません。
色は褐色調から黒色で、大きさは直径数mmのものから2〜3cmくらいでやや盛り上がりがあり、平坦に見えるものでも医療用の拡大鏡で見るとわずかに盛り上がっているのが特徴的です。
痒みや痛みは通常はありませんが、患者さんによっては「たまに痒みがある」と訴える方もいらっしゃいます。特に脂漏性角化症が大きく成長する時に痒みが生じることが多いです。
また脂漏性角化症は自然に消えることはありませんし、悪性化して癌になることもありません。治療としては、液体窒素による治療や外科治療、炭酸ガスレーザー治療などが挙げられます。
注意していただきたいのが、まれに脂漏性角化症が全身に短期間で多数出現し痒みを伴う場合は、悪性腫瘍(癌)がある可能性があります。
短期間で多数発生した場合は、一度クリニックへの受診をしていただくのが良いかと思います。
軟性線維腫(アクロコルドン)
軟性線維腫とは、首や脇の下などにできやすい良性の細かいイボで「アクロコルドン」とも呼ばれています。
▷ 詳しくは軟性線維腫(アクロコルドン)を除去する方法をご覧ください。
大きさは、1〜3mm程度のものが多く、色は褐色系で皮膚表面からから少し飛び出ているのが特徴です。
ウイルス性のではなく良性の皮膚腫瘍のため、悪性とは違い必ず治療が必要であったり、感染症の心配な病気でもありません。
しかし、衣類で擦れてしまったり、ネックレスに引っかかってしまったりなどが原因で、炎症を起こすことがあります。
また症状が現れたばかりの頃は、小さな軟性線維腫ですが年齢とともに少しずつ大きくなったり、数が増えることがあります。そのため年齢を重ねると徐々に軟性線維腫は目立ってくる可能性が高いのです。
治療方法としては、液体窒素やCO2レーザーや物理的に切除する方法があります。
脂腺増殖症
「脂腺増殖症」は、中心が凹んでいて大きさは5〜6mm程度の、黄色や白色の膨らみが皮膚に現れる発疹です。
基本的には痛みや痒みなどの症状はありません。軟性線維腫や脂漏性角化症よりも深いところに根があり、治療の際は多くの場合多少の出血を伴います。治療方法としては炭酸ガスレーザーを使用していきます。
脂腺増殖症では、皮脂を分泌する皮脂腺が増えたり大きくなったりして発疹ができます。
鼻やおでこなど皮脂が多く分泌されやすい部位に症状が現れることが多くみられます。
脂腺増殖症の発症の原因ははっきりと明らかにされていません。中年以降になってから発症する方が多いため、加齢が関係すると考えられています。
しかし、20代の方でも脂腺増殖症を発症することはありますので、「若ければ絶対に発症しない」というわけではありません。若い人の場合は女性よりも男性の方が発症しやすいです。またオイリー肌の人も発症しやすいことがわかっています。
老人性血管腫(赤イボ)
「老人性血管腫」はいわゆる「赤ホクロ」といわれるものです。ホクロは通常黒いものですが、赤いホクロのような斑点が顔や体に現れることがあります。
皮膚の中の毛細血管が異常に増えることで、ホクロ状の赤い斑点が生じます。
凹凸のない数mmの血管腫から1cmを超える隆起して盛り上がっているものもあります。紫外線を受ける露出した部分や、刺激を受ける部分に現れやすいです。
いくつか治療方法はありますが、最も綺麗に治療ができるのはレーザー治療です。
2、顔イボの除去は皮膚科で!イボを取るには?
当院では顔イボ治療の際は「炭酸ガスレーザー」を使用していきます。

保険診療で治療でき、どこの皮膚科でも可能なため手軽に受けることができる治療です。
液体窒素での治療のメリット
・どこの皮膚科でも治療可能
液体窒素での治療のデメリット
・痛みは1日ぐらい続く
・同じ場所に回数の治療が必要
・取れるまでトータルで数ヶ月かかることもある
・2〜4週間隔で治療
・1〜2mm程の小さなイボは取れないことがある
・炎症後色素沈着とよばれるシミができる
炎症後色素沈着について
炎症後色素沈着(シミ)は、液体窒素法を行った方の9割ほどに見られる副作用です。
このシミは、
・色素沈着が取れるまでに半年〜1年ぐらいかかる
・自費の美白剤を使用した方が早く取れる
・1〜2mmのイボを治療すると、イボよりも一回りも大きいシミになる
という困った事態になります。
3、顔イボレーザー治療の料金
| 直径2mm未満 | 3個¥5,500 |
| 直径5mm未満 | ¥5,500 |
| 直径10mm未満 | ¥11,000 |
| 直径15mm未満 | ¥16,500 |
| 直径20mm未満 | ¥22,000 |
※20mm以上の場合は1mm×1,100円の計算になります。
※麻酔代、軟膏、テープは別途になります。
4、炭酸ガスレーザー治療までの流れ
炭酸ガスレーザーでの治療は「切る・削る」というタイプになりますので、治療に痛みが伴います。
当院では治療個数やご希望に合わせて2種類の麻酔方法を準備しております。
治療までの流れ
1.クリニックに御来院
2.受付にて患者様の身分確認をさせていただきます。(初診の方は保険証の提示をお願いしております。)
3.問診票の記入
4.スタッフによるカウンセリング
治療希望部位の確認や治療方法の説明、治療後のダウンタイムやリスクについて詳しく説明します。
※顔イボを炭酸ガスレーザーで治療する方は説明後に洗顔をし、顔写真を撮影させていただきます
5.ドクターの診察があります。再度治療についての説明などがあります。
6.診察後に治療に伴っての同意書に説明に入ります。同意頂けたら同意書に記入に移ります。
7.次に麻酔に入ります。
・治療の数が5個以下で注射の痛みが我慢できる方は麻酔注射を使い麻酔を効かせていきます。
※麻酔注射の場合は麻酔時に注射の痛みはありますが麻酔の効きが早いことと、治療時の痛みがほとんどありません。
・治療の個数が多い方や注射の痛みが苦手な方は麻酔クリームを使用し麻酔を効かせていきます。
※麻酔クリームの場合は麻酔時の痛みはありませんが、麻酔が効くまでに20分〜30分かかります。また治療時に多少の痛みが伴うことが考えられます。
※治療の数が多くても1個1個の大きさが大きい場合は麻酔クリームではなく麻酔注射をおすすめします。
8.麻酔後、レーザー治療に入ります。
※治療の個数により治療にかかる時間は変わってきます。
9.スタッフが治療部位の処置をします。
(軟膏処置+テープ貼付)
10.患者様に家での処置の方法や注意点を説明し、処方する物品をお渡しする。
11.受付にて待機
12.お会計
※2週間後の経過観察の予約もお会計時にとることが可能です。
13.帰院
5、顔イボ治療でよくある質問
Q:顔イボは市販薬で自分で取れますか。
A:脂漏性角化症をはじめとする顔イボを取るための市販薬や塗り薬などがありますが、中には医学的根拠が明確でないものもあります。
効率的に顔イボを治療したい場合はクリニックへ相談することが良いかと思われます。
市販薬の種類によっては、イボが改善される可能性も考えられますが、根本的な治療はできません。理由としてあげられるのが
・正しい方法で使用できない
・イボの原因を正しく見極められず適した市販薬を選べない
・有効成分の種類や濃度が病院やクリニックの処方薬と異なる
などが挙げられます。
イボを除去したいという気持ちが強い方は市販薬を利用するよりもクリニックを受診して根本的な治療を受けることがオススメです。
Q:顔イボはヨクイニンで取れますか。
A:ヨクイニンは、イネ科の植物であるハトムギの種子に含まれる成分を抽出した内服薬ですウイルスに対する免疫を高めると考えられています。そのためウイルス性ではなく、良性の脂漏性角化症などに効果が現れる可能性はかなり低いとされています。大きな副作用はありませんが、まれにヨクイニンが体質的に合わない方は服用すると、下痢や腹部症状を起こす場合もあります。また効果が出るまでに時間がかかることが多いため、まずは3ヵ月ほど内服するのが目安です。
Q:顔イボは増えますか。
A:ウイルス性のイボ→ウイルス性のイボは触っていると他の部位に広がったり、他の人に移したりしてしまう可能性があります。良性のイボ→良性のイボは加齢や体質によってできるイボに関しても、数は徐々に増えていくことが多いです。

